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「森と木でつくる住まいを考えるシンポジウム」に参加しました
2月1日(土)に、熊本県球磨川流域の森と木からつくる、住まいと健康について語り合うシンポジウムが開催されました。
このシンポジウムでは、県、市町村、民間(林業・林産業に限らない)、大学、市民団体等がゆるやかに連携し、それぞれができる範囲でお互い協力しながら森と木の認証の普及を目指す交流の場です。

九州大学農学研究員 准教授 清水邦義先生による、木の家における健康についてのお話、
五木村森林組合の組合長 下内泰臣さまによる、五木村の取り組みについてのお話がありました。

ーー清水邦義先生によるおはなしーーーーーーーーーーー
産業革命以来、人間は、加工(=CO2排出)に価値があると考えてきたからこそ、
いくつもの、便利な工業製品が生まれてきました。
同時に、この数百年の間に、人間は自然界から離れていってしまいました。
現在、世界中で、また各家庭、企業において、CO2排出量削減を目指しているわけですが、
環境のためだけでなく人間のためにも、無垢の木材利用が、どのように良いのか、
を研究されている清水先生のお話は、非常に納得できる内容ばかりでした。
しかし、産業革命後の数百年、頭で考える便利さを求めてきた人間は、
木材によって体がリラックスしているにもかかわらず(脳波測定等で実証済)、
その良さを頭では分からなくなってしまっているとのこと。
だからこそ、いろんな実験を繰り返して、論文を書いてるんだ、と力説されていました。
地球はすでに限界を迎えている、延命治療するためには、CO2排出量の削減しかない。
人の健康と持続可能な社会を両立するために、その方法は「木」しかない!


ーー五木村森林組合 下内泰臣様によるおはなしーーーー
五木村は、地図を見ても分かるとおり、森林率が非常に高い自治体とのことです。
なんと、森林率は村の面積の94%、さらにその61%が人工林で、
伐期を迎えた森林がたくさんあり、これをいかに活用するか、
森林組合だけでなく、五木村全体で取り組みをされていました。
「五木源(ごきげん)住宅」という、五木村材を使用した家づくりにも取り組んでいらっしゃいます。
大工さんの話も紹介してくださったのですが、
仕口加工をしていると、高温乾燥材はぼろぼろ崩れていってしまう・・とのこと。
便利だけど木を痛める高温乾燥の功罪もまた感じたお話しでした。
何より、木の値段の安さ、長さ3m×直径18㎝ほどの杉丸太の値段は、1本あたり1500円ほど。
私も「球磨川流域の素材による環境に優しい家づくり」についてお話しさせていただきました。


創業以来約25年の間、人吉・球磨エリアで生産された球磨杉を用いて、福岡県・佐賀県にて住宅を施工してきたこと。
そもそも、家づくりは住む人の「快適性」と「長寿命」を目指していて、
様々なハウスメーカーや工務店がいろんなアプローチを試みています。
未来工房は、この「快適性」と「長寿命」が、住む人や家だけでなく、
地域の文化や産業が未来へきちんとつながれること、
地球にとっても快適で長寿命、つまり環境に優しいこと、
これらをすべて達成してこそ、脱炭素においても本当の家づくりであると考えています。


産地との連携についても、これまで取り組んできた「木育」からもう一歩踏み込み、
「森づくり」活動を始めるに至った経緯やこれからの取り組みをお話ししました。
湯前町と協同で行う地域貢献プロジェクト「みらいの森 ゆのまえ」の森づくり活動について。
▶︎地域貢献プロジェクト、熊本県湯前町でスタート!
https://www.mirai-kohboh.co.jp/post-15279/
▶︎「みらいの森 ゆのまえ」協定書を締結
https://www.mirai-kohboh.co.jp/post-16061/
今回、山側の方々がたくさんいらっしゃる会でしたが、工務店ならではの視点でもお話しさせていただきました。
それは、消費者と直接つながっている、ということ。
戦後、都市部では木に触れる機会が少なくなり、
物理的な距離だけでなく、数十年の時間という距離もあり、
都市部が山を認識することは難しくなっている現在、
山側と直接つながる工務店が、木育に取り組むことはとても重要だということ。
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未来工房の取り組みとも重なる部分が多く、お二人の力強いお言葉に、
私たちも改めて木の家づくりをもっと推進していきたいと思える素晴らしい会でした。
今回はこのような場をいただき、本当にありがとうございました。
今後、球磨川流域の森と木の未来を考える会は、月に1回程度開催されるそうです。
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「森と木でつくる住まいを考えるシンポジウム」
主催:公益財団法人地方経済総合研究所
日時:2月1日(土)
13:30〜16:00(13:00開場)
開場:肥後銀行 人吉支店 2階会議室
〜プログラム〜
13:30 「球磨川流域の森戸木の未来を考える会」について 公益財団法人地方経済総合研究所 宮野英樹氏
13:45 基調講演「より良い未来に向けた木の住まい」九州大学農学研究員 准教授 清水邦義氏
14:45 事例紹介①「木のむら五木の取り組み」五木村森林組合 組合長 下内泰臣氏
15:00 事例紹介②「球磨川流域の素材による環境に優しい家づくり」株式会社未来工房
15:15 トークセッション
15:50 質疑応答
