
地域に根付き、心にゆとりが生まれる家
久留米市 M様邸
大屋根の木張りの外観が一際目立つM様邸。建物の一角には、奥様のオフィスがあり、特徴的な外観だからか、「工事中はご近所の方はここにお店ができるんじゃないかって、ワクワクされてたみたいで…。建ったのが住宅だったのでちょっとがっかりされてました」と、M様ご夫妻は笑います。

玄関から千本格子の戸を抜けると広がる土間ダイニングは、憧れの京都の町家をイメージ。鎮座する薪ストーブから天井に目を移せば、開放的な吹き抜けの空間が広がります。
家づくりの頃のお話を伺うと「打ち合わせで自分たちの迷ったところを伝えると、次に会う時にはリクエストを組み込んだ提案をしてくれて、本当に、設計士と自分たちとで設計しているんだなという一体感がありました」とお二人。
スイッチや襖の取手など、細かいところまで決めていくのは大変だったそうですが、「インテリアコーディネーターに決めてほしいと言われて。でもこれはお客さんに決めてもらいたいっていうこだわりで、最終的にはやっぱり自分たちで決めてよかったなと思います。」

住み心地は、もうすっかり馴染んで当たり前になっているものの、圧迫感もなく、すごく落ち着くといいます。自然も多く穏やかな地域で、外に出れば空気が良くて散歩をしたり庭仕事をしたり、「庭や周辺の環境もですが、心にゆとりが生まれる感じがします。喧嘩してもすぐ仲直りできるみたいな。」
庭仕事は奥様、畑はご主人が担当されているM様のお庭。畑には、九条ネギやブロッコリー、イチゴの苗など季節ごとの野菜作りを楽しまれています。鉢物を地植えして、ようやく実をつけたマスカットですがカラスが…。「頭がいいんですよね。スイカもそろそろ収穫ってところで突かれてしまって。ボールを被せてカバーしてたんだけど…」と悔しそうなお二人です。



薪ストーブは冬の台所
「冬の朝は、四時過ぎくらいにゴソゴソと起き出して薪ストーブに火を入れます。立ち上がる火も好きなんで、全く苦はないですね」というアウトドア好きのご主人。しっかり火が着いたら奥様も時折薪をくべて火の番をされています。
薪ストーブは暖を取るだけでなく、お料理にもフル活用。「天板にやかんを並べてお湯を沸かしたり、ピザを焼いたりダッチオーブンで丸鶏を煮込んだり。薪は使うけど、ガス代は冬場の方が安くなります。」
外には薪がたっぷりストックされ、水分量をチェックしながら、薪ストーブシーズンに備えます。
土間のダイニングは庭との繋がりもでき、キャンプ料理など家にいながらアウトドアライフを満喫されています。


暮らし方が変わる、広がる。
奥様のオフィスは、家で仕事ができたらと先々を考えて作られ、引っ越してしばらくは福岡市内の会社に通勤をされていました。「住み始めると、なんだかんだ、この家が過ごしやすくて。畑や庭の手入れをしたり、薪ストーブの火の番をしたりして仕事してたら、もう福岡まで通う気持ちがなくなってしまったんです。だから、ここで仕事を始めることにしました」と奥様。
玄関から土間続きのオフィスは天井には木が張られ、お客様も靴のまま庭の緑を眺めながら毎日お仕事に向かわれています。


M様邸では、料理はご主人が担当。魚を捌き、カレーやロールキャベツなど手の込んだものや、手作り餃子を冷凍ストックするなど、段取りを考えながら平日の料理もこなされるといいます。「最近は健康のことを考えて、夜は野菜多めにして、飽きないようにドレッシングに変化をつけて…。こうして考えるのも、作る過程も楽しいんです。『美味しい』って言ってもらえると嬉しいですね。」そんな料理好きのご主人は、定年後におにぎり屋さんを始めるため準備を進めていると教えてくださいました。


いつか家で仕事をという目標が、ある程度叶ったという奥様。「次は夫の番かな。私は二階の夫の書斎に引越して、オフィスはおにぎり屋さんに開け渡さなくちゃですね」と、お二人揃って楽しみなご様子です。


一段上がった籠り感のある2階の書斎は、「設計士から、猛プッシュの提案でこの形になりました」と笑うお二人。
冬は暖かいので、奥様は冬はこちらに移動してお仕事されています。
木の家を探して
家づくりを考え始めた頃、木の家を中心に住宅メーカーを回ったというお二人。家の空気を機械的に循環していることに違和感を感じたり、モデルハウスは広々としているけれど完成したか圧迫感を感じたこともあったといいます。
未来工房へは、以前よりツリーハウス(現在は解体しタイニーハウスを建築中です!)が気になりご来場されました。
「他との木の香りの違いを感じました。熊本県産材を使っている話も聞いて、やっぱり木の家がいいなって。薪ストーブもつけたかったし。」
地域とともに、暮らす。
今の家に引越して自治会の役員を引き受けたことをきっかけに、地域との関わりが深くなったというM様。お年寄りと若者の間に立ちながら長年続いた慣例を徐々に変えていきたいと活動をされています。
M様にとって、仕事も暮らしも、全ての拠点である家。ご主人のおにぎり屋さんは、地域の交流拠点のひとつになって、人と人を繋いでいく場所になることでしょうね。
心にゆとりが生まれる我が家で、地域と共に暮らしていく。そんなM様の暮らしのひとさじを皆様へ。

「ツバメが巣作りに来たんですよ。今回はうまくつかなかったみたいだけど、また来てほしいな」
さんかく行政書士事務所
https://misumiai.dincs.com/


