完成
見学会

自然素材という選択

Material

はじまりは幼稚園

1997年、未来工房が工務店として最初に手掛けた建物は、福岡県久留米市にある「だいぜんじ幼稚園」の園舎でした。園長先生の「園児にやさしく、安全な環境をつくりたい」という思いを受け、自然素材を探すことからスタート。塗装には化学系ワックスやペンキを使わず「植物性のオイル」を使用。構造材や床、ドアに至るまで「無垢の木」にこだわりました。以来、住宅はもちろん、クリニックや薬局、美容室などの施工も行ってきましたが、全ての建物に「本物の自然素材」を使用しています。まさに、未来工房の家づくりの原点がここにあります。

健康を第一に考えるから、脱・新建材

高度成長期において石油化学工業が発展する中、資源の少ない日本では、他国では類を見ない工業製品での家づくりが行われてきました。細かく書かれた食品成分の表示とは対照的に、住宅に使われる建材には、製造者がその素材や成分を表示する義務がないのが現状です。
私たち未来工房は、少なくとも建材に含まれる化学物質を極力減らしていくことは、建築会社の重要な使命だと考えています。だから、合板やビニールクロスは一切使いません。そして、このような大事にすべき素材をお客様によって変えることはありません。これは、創業当時から変わらない、未来工房の家づくりに対する姿勢です。

湿度コントロールする素材を選ぶ

住み心地の良さと長持ちする家づくりに、大きく長く関係するのは、高温多湿の九州では特に重要な「湿度」。一般的に快適な湿度は40%〜60%といわれています。未来工房の家は、本物素材が持つ力で湿度をコントロール。ゆっくりと家全体が呼吸しつづける家です。高温多湿の九州の気候には、工業製品ではなく、無垢の木と羊毛断熱材が適しているのです。さらに、それらを最大に活かす塗料や乾燥方法を選択しています。

① 無垢の木

一口に木の家といっても、使用する木材には違いがあります。接着剤で貼り合わせた集成材や合板と、丸太から切り出した無垢の木。素材の力を最大限に発揮するのは、やはり無垢の木です。


無垢の木
用途にあわせて原木から切り出したそのまま。後から削っても、下からあらわれるのは本物の木です。
集成材・合板
木材特有のねじれや曲りを軽減し、強度を出すため、板状にした木材を接着剤で貼り合わせたもの。※日本の建築基準法(国交省)では、規制化学物質は2種類のみ、厚労省による指針が別途13種類設けられています。これは、化学物質庁が置かれるEUとは、化学物質使用の制限に大きな差異があると言えます。

家の「居心地」を科学する ―調湿と断熱―

一般的に快適と感じる湿度は40-60%。無垢の木、特に杉は、湿気を吸ったり吐いたりする機能に優れています。
木の繊維は、パイプのようになっていて多くの空気を含んでいます。この小さなストローのような穴が、湿気を吸ったり吐いたりしながら調湿します。 また、空気は熱伝導率が一番低い物質。だから、空気層を持つ木は温度変化が小さく、冷えにくい素材です。 機械で温めなくても「冷たくない」ことは、寒い冬の朝など1日のスタートを切るのに大きな差となります。


無垢の木の調湿効果
内装材の違いによる室内の湿度変化
壁面に無垢材を用いた部屋と、ビニルクロスを用いた部屋で湿度の変化を計測。
睡眠時に室内の湿度を測定すると、季節に関わらず、無垢材の部屋の方がビニルクロスの部屋より湿度が低くなります。通常寝ている状態では人の呼気や発汗等により時間と共に湿度が上昇しますが、無垢材が吸湿作用を発揮しその上昇を抑制したと考えられます。



冷えない素材
熱を伝えやすい(熱伝導率が高い)材料は、接触した瞬間に人体から多くの熱を奪うため冷たく感じます。木材は、その内部に空隙を多く持ち、含まれる空気が熱の伝導を防ぐため、金属やガラスに比べて、あまり冷たさを感じません

家の「居心地」を科学する ―心理的効果―

文部科学省では、公立学校の施設整備における木材利用を推進しています。児童生徒などが一日の大半を過ごす活動の場を、やわらかで温かみのある感触、高い吸湿性などの性質を持つ木材でつくることは、豊かな教育環境づくりを行う上で大きな効果が期待できるとしています。もちろん、人が長い時間を過ごす家も同様です。


情緒の安定
心理・情緒面では、木造校舎はリラックスでき、快適と言われます。情緒不安定性に係る各項目において、RC造より木造の方が低い傾向があることを示しています。


集中力アップ
足元の冷えは倦怠感や眠気を催し、作業能率が低下。
木材床よりコンクリート床で過ごした場合の方が、「眠気とだるさ」「注意集中の困難さ」を訴える割合が高くなっています。


香りでリラックス
2つの同じ部屋の、1つは杉材を壁に貼り、作業中のストレス指数の物質(アミラーゼ)の活性化を計測。杉材なしではアミラーゼが上昇し、杉材ありはアミラーゼは低下する傾向にありました。
アミラーゼは強いストレスを受けるほど活性が高くなると考えられており、杉材から揮発した匂いがストレスを抑制したものと解釈されます。


1/fのゆらぎ
自然界に存在し、人間の細胞が発する信号のリズムにもなっている、1/fのゆらぎ。
機械で作られた工業製品にはまったく存在しません。


音をまろやかに
木材は、音を適度に吸収してまろやかにし、心地よく感じる範囲に調整してくれます。木材を使った部屋は「音がいつまでも響かず適度に反射する」ので音が聞きやすいといわれています。

家の「居心地」を科学する ―健康―

医学的な観点から、無垢の木の家が居住者の健康状態に与える影響を明らかにする、健康維持増進に関する研究の調査を、共同で行っています。


東 賢一 あずま けんいち(近畿大学医学部准教授)
博士(工学)・近畿大学医学部准教授。著書・監修に『住居医学(Ⅳ)』(米田出版)、『建築に使われる化学物質辞典』(共著・風土社社刊)、など。専門分野は、環境保健、環境リスク、室内空気汚染。主に生活環境中の化学物質や微生物による健康影響の研究に携わる。

② 本格燻煙処理

燻煙処理は、人工乾燥の中でも、木に極力負担をかけない乾燥方法です。木の細胞壁には小さな壁孔(ピット)が無数にあります。高温短時間で乾燥すると、細胞が破壊されこのピットが潰れてしまいます。本来、木がもっているはずの調湿性能が低減してしまうだけでなく、木材そのものの色つや・匂いまでも消えてしまうのです。

未来工房では、本格燻煙処理乾燥を採用しています。

燻煙処理は、木質系燃料を燃やすことによって発生する熱と煙で、木材の木質改善と乾燥を行う熱処理方法です。調湿作用など木材の特性を生かしながら、乾燥する際に起こる割れや反りを極力抑えた状態にすることができます。


木材と白蟻の実験
煤付きのまま、木片を白蟻の多数いる土中に1週間埋め込んでも、白蟻が寄りつきません。

③ 羊毛100%断熱材「エコール」

家の中と外の気温差で起こる結露。実は、壁の中でも同じように発生しています。
壁の中で、逃げ場のなくなった水分が溜まり、恐ろしいことに知らないうちに構造材や土台を腐らせてしまうこともあります。家が建ったら見ることができない壁の中だからこそ、未来工房は、羊毛100%断熱材を選び、メーカーと共同で改良改善を重ねました。
天然100%の羊毛には、断熱効果はもちろん、すぐれた調湿作用があります。壁の中で呼吸しながら湿度をコントロールし、結露が家の土台を腐らせるのを防ぎます。
壁の中を乾燥した状態に保つことは、長持ちする家づくりには欠かせない大切なことです。

家の「寿命」を科学する ー壁の中の調湿ー

未来工房の家は、外周壁と、一階の床下に羊毛100%断熱材を敷き詰めています。高温多湿な気候の北部九州で家を建てるときに大切なことは、特に、調湿・温熱・長寿命のバランスです。壁の中を調湿するために、敢えて気密シートを用いず、羊毛と無垢の木の調湿性能を最大限生かしています。
ゆっくりと水分が吸放湿され、壁の中に水分が溜まらないつくりになっています。


未来工房の家の壁の中
築後17年経過した壁の中。羊毛・木材とも結露した様子はありません。


高い難燃性
羊毛は飛行機の内装に使用されているほど難燃性の高い繊維。着火しても繊維が炭化し、合成繊維のように溶解しないので、火傷や延焼、煙の発生が少なく、有毒ガスの危険性も少なくなります。


施工時の安全性
グラスウールやロックウールの施工とは異なり、防塵マスクや手袋、特別な作業着は必要ありません。安心して施工できる断熱材です。