完成
見学会

快適性と強い構造を両立する

Spec

壁が多く窓が少ない、吹き抜けもない真四角の家。近年の木造住宅で主流となった、構造の強度を上げるために集成材や合板を多用し、快適な温度の指標に頼る家づくり。これらは作り手にとって、とても都合の良い簡単な方法です。しかし、このような方法と指標で、家は本当に強く快適になるのでしょうか?

住まいの居心地の良さは、何で決まるのでしょうか?

今の家づくりは温度ばかりが重視されていますが、快適さを作り出しているのは、温度だけではありません。例えば、同じ気温30℃でも、湿度が高い日よりも低いほうが過ごしやすく、活動量によっても暑さ寒さの感じ方は違います。

快適な「温熱環境」をつくる6つの要素と、数値では測れない心地良さ

代謝量着衣量は、その人の過ごし方で変わりますが、気温湿度気流(エアコンなどが体に当たる風の強さ)、放射(表面温度)は、心地よい環境をつくるために家づくりにおいて考慮すべき大切な要素です。

その他にも、足ざわりや音、窓から見える景色、家族とのつながりなど、暮らしの中で感じる、数値では測れない様々な要素が組み合わさって、快適な居心地の良さを作り出しています。

実は、自然素材で家を建てることは、とても「合理的」で「機能的」なこと。身体に優しいだけでなく、素材が持つ湿度調節機能や蓄熱性、遮熱性によって、機械にたよりすぎず快適な住環境を作り出すことができます。

地球環境とも矛盾することなく、人が安心して暮らすことができ、長く世代を超えて心身ともに健康であり続けられる家。住む人にとって本当に「居心地の良い住まい」こそが本物の高性能住宅であると考えます。

01.パッシブデザインの家づくり

02.「体感G3」の温熱環境
 ・快適性と省エネの両立
 ・指標を超える快適性
 ・地域最適解の気密性

03.自然素材の力 −蓄熱・遮熱−

04.合板ゼロ。無垢の木のだけで耐震等級3
 ・無垢の木の構造で、不可能を可能にする
 ・温故知新

01.パッシブデザインの家づくり

窓を開けたら見える景色、聞こえる音、外からの視線、通り抜ける光と風、さらにその地の文化。家に住まうとき、必ず周囲との関りが生まれます。
家の中では、部屋でくつろいだり、家事を済ませたり、趣味を楽しんだり、色んな過ごし方があることでしょう。もちろん省エネ・温熱性能や、地震、台風など災害への備えも必要です。

私たち未来工房は、当たり前の毎日を幸せに過ごせる、小さな心配りに満ちた家を、建築に関わる様々な要素と考え合わせ提案します。

パッシブデザインとは
建物を取り巻く自然環境の特性を活かし、室内を快適にするための設計手法。
例えば、太陽は夏と冬では日の巡る高さ(太陽高度)が違い、風も、夏と冬では吹いてくる方向が異なります。地域ごと、季節ごとに異なる多様な自然環境に合わせて構造体や材料、まどりや空間構成、庇や窓枠といった設計上の工夫を行いデザインする。
-一般社団法人 環境共生住宅推進協議会より-

健康や地球環境のために、住宅も省エネの時代です。

未来工房は、自然エネルギーを取り入れた設計と、自然素材の力を掛け合わせた家づくりを行っています。
立地の周辺環境を読み取りながら設計をすることで、エアコン設備を使わずとも心地よく過ごせる時間が増えます。

日射取得と遮蔽
室内外の熱は窓を通じて大きく出入りするため、深い軒を設けて夏の高い日射が入るのを防ぐ一方、冬の低い太陽光は室内に取り入れます。

風の通り道
天井付近の暖かい空気が窓から出ると、一階など低い位置の窓から外気が入り風の流れができ、空気が入れ替わるとともに体感温度が変化します。

02.「体感G3」の温熱環境

快適性と省エネの両立

夏の酷暑、冬の酷寒には、快適な温熱環境を省エネルギーで保つため、家の断熱性能が求められます。高い断熱性能は、「快適な温熱環境」と「省エネ」を両立し、住む人にも地球環境にも優しい住まいを実現することができます。

住宅性能の指標には、断熱等性能等級(断熱等級)や一次エネルギー消費量等級などがあります。

断熱等級(断熱等性能等級)
住宅の断熱性能を7段階で示したもの。数字が大きいほど断熱性が高い。UA値などで定められる。

一次エネルギー消費量等級
住宅が一年で消費するエネルギーを4~6で示したもの。数字が大きいほど省エネ性が高い。

HEAT20
「一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」が定める断熱基準。
目指すべき断熱性能(UA値)を地域ごとで定め、「G1」「G2」「G3」の3段階の最低室温と暖房負荷削減率が設けられている。数字が大きいほど、より良い温熱環境と省エネルギーが実現できる家とされている。

UA値 
どのくらいの熱が逃げるかなどの、断熱性能を数値化したもの。数値が小さいほど熱が逃げにくい。

 指標を超える快適性

未来工房の標準の断熱等級は5であり、計算上ではHEAT20のG1水準の温熱環境です。
しかし、実際に住んでいる家を計測すると、冬場に室温が20℃を下回ることがありませんでした。これは15℃を下回らないことが基準のG3相当の室内環境であることが言えます。

省エネ性能を表す一次エネルギー消費量等級は一番優秀な等級6にあたります。
実際にお住まいの未来工房の家で、夏季・冬季の冷暖房消費エネルギーを測定した結果、平成28年基準もさらに消費エネルギー量が大幅に削減できていることがわかりました。

未来工房の実際にお住まいの家での室温計測結果(冬季)
12月〜2月の3ヶ月間、リビング、寝室、脱衣室で室温を計測。推奨最低気温を下回ることは数%と少なく、20℃以上の室温をキープしている。





◯暖房機器の利用
(平日)日中OFF、朝エアコン1h、晩3hエアコンと薪ストーブ
   →4h×5日=20h

(休日)日中薪ストーブ、朝晩エアコン ※1Fリビングエアコン1台のみ可動
   →7時~21時まで暖房=14h
    14h×2日(土日)=28h

暖房時間:20+28=48h/週
非暖房時間:24h×7日=168h-48h=120h/週

未来工房の家 K様邸の冷暖房の消費エネルギー量
※省エネ基準値の数字は、家によって異なります。また、広さや間取りによって変化します。

実測値からわかるように未来工房の家は、計算値以上の温熱環境と高い省エネ性能を実現しています。
なぜ、そのような結果になるのか…。それには自然素材の力が大きく関わっています。

地域最適解の気密性

気密性能を示す「C値」は、住宅にどのくらいの隙間があるかを表したもの。一般的には、C値は、数値が低ければ低いほど良いとされ、住宅会社は競うように数値の追及をしています。
しかし、ここ北部九州において、過度な気密性の追求は必要なのでしょうか。1.0以下であれば、気密性は十分優秀であると専門家からの意見もあります。

気密性能は、現場の力、施工力にも左右されます。未来工房は、気密性に欠かせない気密シートを使用することなく0.6~1.0の気密性を保っています。気密シートを使用していない深い理由は、展示場のスタッフにお尋ねください。


未来工房の実際にお住まいの家での 気密測定実測値

03.自然素材の力 −蓄熱・遮熱−

自然素材には、その素材が本来持っている様々な作用があります。無垢の木ならば調湿や断熱効果、消臭や香りによる心理的・生理的作用など様々です。
機械を使わずとも、無垢の木が部屋の熱を蓄え、漆喰の外壁や陶器瓦が日射の熱を遮る家。自然素材が本来持っている力、「蓄熱性」と「遮熱性」が、指標を上回る快適な温熱環境をつくる鍵です。

□蓄熱性 −無垢の木−

木の繊維はパイプのようになっており、多くの空気を含んでいます。空気は熱伝導率が一番低い物質。この空気の層が高い蓄熱性と断熱効果を発揮します。また同時に、湿気を吸ったり吐いたり年間通して心地よい湿度を保ってくれます
この木の力は、芯まで本物の無垢の木だからこそ。未来工房の家は、構造材から床材に至るまで、全てに無垢の木を使用しています。
私たちの身体も蓄熱をする自然素材の仲間。自然素材の家で暮らすことはとても理にかなっているのではないでしょうか。

□遮熱性 −外壁の漆喰−

一般的な外壁は、夏場には表面温度が50℃を超えることも珍しくありません。一方、漆喰は20℃ほどの表面温度。日射熱を跳ね返す高い遮熱性を備えた天然素材です。夏にはエアコンなどに頼らなくてもいい快適な時間が増えます。

□遮熱性 −陶器瓦の屋根−

未来工房では陶器瓦を使用していますが、よく使われている他の屋根材と比較すると室内の温度には大きな違いがあります。夏は太陽の熱を遮ることで涼しく遮熱性に優れ、また冬は温められた室内の空気を逃しにくい素材です。

夏と冬の屋根材の温熱環境比較
引用:株式会社鶴弥(https://www.try110.com/kawara/comfortably.html)



04.合板ゼロ。無垢の木だけで耐震等級3

熊本県出身のスタッフの両親と祖母が、2016年4月14日に起きた熊本地震で被災しました。地震の翌日、祖母の家へ向かうと、道路には亀裂、塀は倒れ、倒壊した家もある中、祖母の家は「半壊」の震害判定。「半壊」というと、修繕すれば住めるように感じますが、「半壊」の範囲は広く実際の家は「全壊」に近い状態でした。結局、住み慣れた家は解体し別の場所へ移り住んでいます。命を守ることはもちろん、被災後も住み続けられるくらい強くしなければならない。未来工房は、そんな当たり前に強い家づくりを自然素材を用いながら取り組んでいます。

熊本地震における木造住宅の建築時期別の損傷比較
(建築学会によって実施された益城町中心部における悉皆調査より)

■日経ホームビルダー『なぜ新耐震住宅は倒れたか 変わる家づくりの常識』より抜粋
「築浅の現行基準の家が倒壊した」「新耐震基準の家もたくさん倒れている」ーー。
2016年4月に発生した熊本地震は、家づくりに携わるプロに衝撃を与えた。震度7を2度も観測した熊本県益城町で、戸建て住宅に大きな被害が発生したからだ。特に、新耐震基準に沿って建てられた住宅の被害が深刻だ。
2010年に完成した熊本県益城町の住宅Aは、長期優良住宅の認定を取得するため、壁量を建築基準法の1.25倍とする住宅性能表示制度の耐震等級2(等級2)で計算していた。国が定める耐震基準よりも高い耐震性能であったはずだが、本震で倒壊した。

耐震等級

地震に対する建物の耐震性能を表す、耐震等級。倒壊・損傷のしにくさを基準に、耐震等級1、耐震等級2、耐震等級3の3つのレベルに分けられています。

無垢の木の構造で、不可能を可能にする

耐震の最高レベルである「耐震等級3」。真四角で窓の少ない間取りや工業製品を多用すれば、容易に強度をあげることができます。しかし、私たち未来工房が作るのは自然素材の家。強度と引き換えに、健康や居心地の良さや、自由な間取りを諦めることはしません。合板や集成材など、工業製品ありきではない耐震性の向上をさせることを信念に、山辺構造設計事務所代表山辺豊彦氏のご指導のもと、九州職業能力開発大学校(九州ポリテクカレッジ)と共同実験を繰り返し、約5年の歳月をかけ、無垢の木の構造での耐震の最高レベル耐震等級3」の取得が可能になりました。


山辺豊彦 やまべ とよひこ(山辺構造設計事務所代表)
1946年石川県生まれ。法政大学工学部建築学科卒業後、青木繁建築研究所に入所。1978年山辺構造設計事務所設立。日本建築構造技術者協会東京サテライト顧問。大工塾共同代表。


九州職業能力開発大学校(九州ポリテクカレッジ)
黒木宏之 くろき ひろゆき(建築施工システム技術科 職業能力開発准教授)
職業能力開発大学校は、いかなる技術革新にも対応できる教養と基礎学力を持ち、即戦力となる高度な技能を身につけた実践技術者を送り出すことを目的に、全国に10校設立された。新技術の導入、新製品の開発、業務の自動化や効率化などの技術的な課題について、企業等と共同・受託研究を行っている。

温故知新

「家が楽しい」と思えることはとても大事です。それは、居心地の良さと家の強さへの安心感があってこそ。
素材も工法も正しい知識を持って選ばなければならず、それは作り手に委ねられているのが実状です。
だからこそ、新しいものを取り入れながら、古くからある時代に左右されないものをどう融合できるかを、常に追求し続けています。