真夜中こっそりパンを焼く
NEWS
のびやかにちぎる。ふわりふわり、心彩る。

指先が感じる柔らかさ、滑らかで、ざらっとして、厚みも、光も、温もりも、
のびやかにちぎると、幾重にも表情が生まれる。
頭で考えるよりも先に、身体と心が動かされる出会い。

久留米「やかまし村のギャラリー」で、いつも笑顔で迎えてくれる三原真利奈さんは、和紙を使った作品作りや、ワークショップを主催する作家さん。そんな三原さんに、和紙の魅力についてお話を伺いました。
花が繋いだ手すき和紙との出会い
元々「花を仕事にしたい」と考えていた三原さん。働きながら勉強を続ける中、どうしても憧れの講師にフラワーアレンジメントを学びたいと、心機一転、会社を辞めてフランスへ旅立ちました。「一人で海外へ行くというのは挑戦でもあったのですが、行動に移すまでは悩みました。とても緊張したし、言葉がわからないところもあったけど、花の扱いや手さばきなどを感覚で学びました」。文化をはじめ日本にはないような花の種類に刺激を受けたといいます。

帰国してから一年間、花屋さんの一角でフラワーアレンジメント教室を主催。その頃、知人に誘われ参加した八女市でのイベントが和紙との出会いでした。八女の特産の一つである和紙の魅力を伝えて欲しいとの思いを受け、ドライフラワーを組み合わせた和紙の灯りを制作しました。「初めは、和紙は生花より長持ちするし、ちょっとやってみようかと軽い気持ちでしたが、柔らかな質感と手すきならではの味わいと深い魅力に、引き込まれてしまいました。」

「ゆらぎ」に魅せられて
三原さんがストックしている和紙は、八女や土佐、明治時代のものなど、産地や年代、材料やすき方の違いも様々。「色はもちろん、コーヒー豆を砕いたものが入っていたり、石の粉が入っていてキラキラするのもあるんですよ。」
手すき和紙は一枚一枚職人の手仕事のため、微妙な厚みの違いや不均一さが生まれます。その「ゆらぎ」こそが、手すき和紙の魅力。温かみや柔らかさ、質感の面白さに触れるたびに癒されると三原さんはいいます。

「白くて薄い和紙が好きで、透かしてみた時に、繊維が一本一本キラキラと輝いて見えて、『本当に、ああ綺麗だなぁ』と作品を作りながら思うんです」
〝もったいない箱〟と名付けられた入れ物には、和紙の破片がぎっしり。「小さな切れ端も、かわいくって。丸めればパーツにもなるし、どこかで使えると思うと捨てられないんです」と、愛おしい宝物のよう。




のびやかにちぎる
三原さんの作品作りは、柔らかな美しい光が差し込む午前中。和紙を使って何か作ろうと考えるのではなく、ふと思い浮かんだものを和紙で表現することが多いといいます。「朝、車を運転しながら、ふと浮かんでくることが多いですね。今作っている作品は、『雲のお花があったらいいな』と想像して。雲のふわふわとした感じが、和紙の質感と合ってるなとか、どうやったら表現できるかなとか。」





今後は、単体の作品だけではなく、空間を和紙で表現してみたいという三原さん。「ピアノなどを演奏する空間に和紙を使って、来た人がほっとするような、心晴れやかになる癒しの場所にできたら。」
花が繋いだ和紙との出会いが、人と心を繋いでいく。これからどんな和紙の花が開いていくのか楽しみです。
maripapie(マリパピエ)
和紙セラピスト 三原 真利奈さん
手すき和紙に触れていくうちにその優しく温かな魅力に惹かれる。心やすらぐ時間をテーマに手すき和紙のちぎり絵やブローチづくりなどのワークショップを主催。和紙と遊び、創作にいそしむ日々。
胸元にはいつもブローチ。「鏡に映る自分にうふふっと軽やか、楽しい気分に」
作品や展示会、ワークショップ開催の情報など、随時更新しています。
https://www.instagram.com/maripapie.m/





