完成
見学会

いつもの暮らしを丁寧に楽しむ。

佐賀県鳥栖市 S様邸

原動力は「好き」

二月のある日、鳥栖市にお住まいのS様邸へ伺いました。
まもなく訪れる春のような穏やかさで迎え入れてくださったS様。
「まずはカフェごっこしましょうか」とにっこり。
その一言を合図にご主人が豆を挽き、奥様と娘さんはキッチンへ。
自然と役割が分かれていく様子から、それがいつもの暮らしの中で
定着したことなのだとすぐに分かりました。

ダイニングテーブルには、奥様が着物の帯をリメイクしたというテーブルランナー。
最近好きになったという古伊万里の器もよく映えます。
「こだわっているようで全然そうじゃないんです。器はネットで買ったから
本物かも分からないし、新しいか古いかも分からない。
組み合わせも正しいのか分からないけど、心がうきっ!てするんです。」
以前は漠然と好きだった器も、これ!と気に入ったものを使うようになってからは、
お料理するのも、盛り付けるのも、なんと洗い物や片付けまでもが楽しくなったとか。

「好きだから楽しく続けられるんでしょうね。」と話すS様が続けていることがもうひとつ。
それが、仕事をきっかけに始めたインスタグラム。
暮らしのヒントがたくさん詰まっていて、情報交換や、日々のあれこれに対する共感、
そして未来工房の住まい人との新たな繋がりなど、刺激がたくさんあるのだそうです。
「庭の写真を家族に見せても、『ここ、どこ?』なんて言われるけど(笑)」

十五年を経て

昨年デッキにオーニングを取り付けてからは、お庭の使い方がぐっと広がったそう。
もともと、土地を購入する段階から庭について考えていたというS様。
「せっかく庭をつくるなら、自分たちが楽しむだけじゃなくて、
人にも見てもらいたい。でも視線は上手に避けたい。」
そんな思いが、十五年の年月で枝葉を広げた庭の木々と、デッキのオーニングとで、
やっと形になりました。
カフェカーテンを下げてまさにカフェのテラス席のように食事を楽しんだり、
夏の夜にはビールを飲んだり。
「それがあるからなんとか仕事も頑張れる。本当ですよ?」
とご主人も笑う。


(写真はS様のインスタグラムより)

体が選んだ家

そんなS様の、家づくりのきっかけについて伺いました。
結婚前から家づくりを楽しみにしていたというS様。
ところが、結婚後に新築のアパートに住み始めてから、
喘息が出たり真夏に震えたりと、ご主人が原因不明の体調不良に。
他に引っ越してからは症状も治まり、数年経って、
テレビでシックハウスが取り沙汰されるようになったのを見て、これだ!と感じたそう。
「それまで、新築の香りはいい香りだと思っていたけれど、そんな匂いのする家には住めないなと。
当時良いとされていた『低ホルムアルデヒド』の家では不安で、いろいろ探して見つけたのが未来工房で。
偶然その頃近くで未来工房の家を見つけて、『ここ、未来工房ですか?』と尋ねたんです。突撃です(笑)
住まい人の方が快く見せてくださって。今はしみじみ建ててよかったなぁと思います。」

取材の冒頭、
「私たち、何の特徴もないから暮らしぶりから何も学べないかもしれない…」
と冗談交じりにおっしゃっていましたが、何か特別なことをしているとか。
こだわりがあるとか、そういうことではなく、
いつもの暮らしをすみずみまで楽しむ。少しだけ丁寧に暮らす。
その姿勢こそが、一番の大きな学びになりました。

(取材/2018年春)