完成
見学会

薪ストーブライフ!遊べる我が家。

福岡県筑後市 K様

秋晴れの心地よい十一月、筑後市にお住まいのK様邸へお邪魔しました。蔵戸をイメージして作られた玄関戸を開けると、ポーチに埋め込まれたさりげない「HELLO」の文字に迎えられます。

リビングに入ると大きな丸太梁が二本。佐賀展示場「球磨杉の舎」を見て取り入れられたというその梁は、木材の産地である熊本県多良木町まで実際に見に行かれたのだそう。「もちろん梁を見るためというのが一番の理由でしたが、山から木を伐って、加工して、そして我が家になるというのを、子どもたちにも見せたかったんです。」とK様。建築中もたびたび現場を訪れられたそうで、我が家が少しずつ形になる様子を家族みんなで辿ったことは、かけがいのない思い出になるのではないでしょうか。

以前から古物や雑貨がお好きだったというK様邸には、心惹かれる小物や家具がバランス良く配置されています。独身時代からお持ちのタンスや、家を考える前から買っておかれたステンドグラス、蚤の市で少しずつ揃えたダイニングセット、染色器。時代を超えてきたものが、これから時代を刻んでいくK様邸にとても良く合います。

薪ストーブライフの始まり

そんな中、ふと目に飛び込んで来たのは、黒板に書かれた「一日一善=マシュマロ」の文字。何かの暗号かと思ってお尋ねすると「薪ストーブに火入れをしてから子どもたちがマシュマロを焼きたがるので、何かいいことをしたら食べられることにしました」とご主人。取材の数日前に初めて火入れをし、薪ストーブライフが始まったばかりのK様邸ですが、すでに生活の一部へとなりつつあるようでした。広い敷地には、もともとこの土地にあった木や、あちこちから譲り受けた薪予備軍が優に数年分は積まれています。大きな丸太もあり、一人で薪にするには骨が折れそうですが、ご主人の「キンクラしよう!」の一声で三兄弟が庭に集まり、楽しそうに薪割り開始。薪の中から自分の力で割れそうなものを選んだり、木にも堅さがいろいろあること、節はなかなか割れないことを知っていたり、薪ストーブと暮らすことで得られる知識が早くも身についている三人は、これからの強い味方になりそうです。

斧で薪を割るお母さんを心配した少女が発明したキンクラ=キンドリングクラッカーは、力の弱いお子さんでも安心して薪を割ることができます。

薪割りや元気なご挨拶(一善)をした子どもたちと一緒に、焼きマシュマロをごちそうになりました。

遊べる我が家

二階のフリースペースは主にお子さんの遊び場で、梁につけられた雲梯を4人の子どもたちが競うようにして登ったり渡ったり、なんとも軽々。以前のアパートでは、飛んだり、大声を出したり、のびのびと過ごせなかったけれど、今ではそんな心配はいりません。入居後まもなく、休校で家での時間がぐっと増えた時も、お子さんが退屈することはなかったそうで「本当に良かったです」とにっこり。

お庭はまだまだ進化するそうで、この日も午後からは購入したキットで小屋を製作する予定で、小屋を作ったら次は全長 メートルの薪棚、家庭菜園もどこかに…。生え広がった芝生の上で、「テントを張っておうちキャンプも楽しみです!」と楽しい想像が止まりません。
薪ストーブも、遊びの仕掛けも、小さなお子さんだとはらはらすることも多いように思えますが、「大丈夫ですよ。少しくらいケガしても、それで少しずつ覚えていけばいいと思っています。」と、どっしり構えたK様ご夫婦。チャレンジして、失敗したり、成功したり、どんなことも受け入れられる、器の大きなご家族とお住まいでした。