進化する我が家は、暮らし充実おもちゃ箱
久留米市 M様邸
じっくり暮らしに向き合う
リビングの大開口から広がる田園風景に臨むM様邸。春には桜、夏には夜空に上がる花火も見えるといいます。
この見晴らしの良さを生かすこと。子供や孫が集まりやすく。キッチンは2人並んで料理ができるように広く家の真ん中に…。そんな暮らしのイメージをご夫婦で共有するため、ご主人が取り組んだのは間取りを描くことでした。

ノートにはあれこれ思案した間取りが20通りも記されています。「描かないと2人の意識が合わないから。間取りを描くことではっきりイメージできるようになって、設計士との意思疎通もスムーズでした。」
ご実家の2階を使わなくなってしまった経験から、少し先を見据え階段の勾配は緩やかに。「年を取っても階段を上がりたいと思えるように、一段の高さは小学校と同じくらいの17㎝です。」

人を招くのがお好きというM様。休日には、お子さんにお孫さん、ご主人の会社の方など、いつも誰かが家を訪れています。「先日は20人来て、庭も使ってバーベキューをしました。準備や片付けは若手がやってくれるので、任せて妻は出かけていきました」と、勝手知ったる仲間たちとの賑やかな様子が目に浮かびます。

常に更新。我が家流カスタマイズ
以前からDIYが趣味のご主人。建築中に出た端材の一つひとつがいい材料で、もったいない!と倉庫にストックされ「集めていたらすごい量になりました」と笑顔。
一際目を引くダイニングテーブルは、この家でのDIY第1号。天板には柿渋で着色した屋根の端材を使い、中央には卓上IHコンロを埋め込みました。テーブルの下に手を入れて押すのカッコ悪いと、側面の電源スイッチを手元で押せるように仕組みを考えて木製のボタンを作り、スマホの充電コードもテーブルの下に並んでいます。「IHコンロは鍋だけでなく、コーヒーを沸かしたり、焼肉もホットプレートを出さずにフライパンで洗い物も簡単です」


ご主人のDIYは、〝できるだけ溶け込み、違和感が無いように〟がモットー。
仕組みを考えるものお好きで、天井のファンは、銭湯で使われていた大型扇風機。木製の滑車とロープで1階とロフトから稼働操作ができる仕組みで、遊び心あるDIYにワクワクします。

奥様の「いろんなものを出しっぱなしにしないでね」という一言からできた、階段の引き出し。
出っ張ることなく、ストッパーで引き出しが抜け落ちることもなく階段と一体化しています。

相手が木の家だから、DIYがやりやすいというご主人。でも、なんでもビスで固定するのではなく、嵌め込む形で取り外しができるように、仕組みを考えながら作られています。
手製の神棚は組み立て式。扉も開閉できて、あまりの出来栄えに知人から作って欲しいと依頼されたとのこと。図面やパーツを広げてロフトで制作されています。
ホームセンターの畳マットを敷き詰めた板で抑えた小上がり、テレビ台や天窓の日差しを和らげる格子建具、自ら乗って荷重を確かめて作った衣類乾燥機の台に、基盤をから作った照明など、言われなければ気づかないほどの仕上がりに驚かされっぱなしです。
いつも何か制作し人が来るたびに何か変わっている。「進化系です。まだまだ続きます」というご主人に、「大人がおもちゃ箱をもらったみたい」と奥様が笑います。
「この家で過ごしたい」
家で過ごす時間に心の豊かさを感じるという奥様。「出かけてもこの家に帰りたくなるんです。片付けたり掃除したり、日々の生活だけど『ああ、いいな』と感じる。この家で過ごしたいなと思うんです」。
好きなドライフラワーや季節の花楽しみながら、充実した家時間を過ごされています。

訪れる人からは、「木の香りがする」と言われるけれど、慣れてしまったのか感じなくなったというお二人。
無垢の木の床は底冷えせず温かく、「冬に出掛けて帰ってきたら暖かくてエアコンを切り忘れたかと思ったこともあります。梅雨でもジメジメしないし、夏は自分たちだけならロフトのエアコンを一台つけるだけで十分です。」

多い時は4回も洗濯する奥様の様子を見て、それならばと、ウッドデッキの柱に大容量の物干しを作られたご主人に「信頼してます。使う人のことを思ってくれていて、そのおかげでこの暮らしがある」と奥様。
家族だけでなく、この家に訪れる人たちが心地よく過ごせる家。家づくりからずっと思いが続く、Mさんの日々の暮らしのひとさじをみなさんへ。