完成
見学会

ひと手間、ふた手間。 ほのぼの時間が満ちる家。

佐賀県佐賀市 Y様邸

 秋に訪れたYさん邸周辺の田んぼは、ちょうど稲刈りの時期。周辺の田んぼでは稲刈り後に麦や野菜を育てる二毛作が行われ、一年を通して作物が育つといいます。

佐賀バルーンインターナショナルフェスタの時期には、大会に参加している気球が飛来することもあるそうです。
その雄大な眺めを切り取るように、リビング、キッチン、浴室に窓をレイアウト。二階の窓は、構造上の有効寸法いっぱいに窓を大きく取りました。

そんな田畑の緑から黄金色への移り変わる様子は、Yさんの日常の一部です。

 5月から本格的に庭づくりを開始されたYさん。リビング側には田畑の眺めをいかしながら山桜などの落葉樹が植えられ、樹木の足元には球根植物が春の訪れを待っていっます。

畑ではサツマイモが育てられ、畑に直に置かれたコンポストで肥料作りも実践。

駐車場には、レモンに柚子、無花果、さくらんぼ、ブルーベリーと果樹が並びます。梅干しや味噌など、手作りされることもあるYさんご家族、今年は庭で実った柚子で「柚子胡椒」を作られました。四つの実を使い、果汁は昆布とみりん、醤油を加えポン酢に。出来立てほやほやの柚子ごしょうは鮮やかな緑色で、味見をさせていただくと爽やかな辛味が鼻を抜けます。

好きが溢れる暮らし

住まわれて1年半が過ぎ、2度目の薪ストーブシーズン。お邪魔した日は、日中はまだ暑かったのですが、せっかくだからと薪ストーブに火を入れてくださいました。炉に薪を組み、ねじった新聞紙に火をつけ点火。薪がよく感想しているからか、扉を閉めるとじわじわと炎が大きくなっていき、あっという間に丸窓がぽおっとオレンジ色に染まりました。「1日分の薪を運ぶのにちょうどいい」と、使うのはリンゴの木箱。薪は、未来工房の家の住まい人から分けてもらうそうで、住まい人同士が繋がり、暮らしを楽しんでいらっしゃいます。

薪ストーブがついている間は、炉の上のオーブンはいつでもスタンバイ状態で、定番の焼き芋、グラタン、ドライフルーツと、思い立ったらいつでも料理ができます。

この日は、取材後にパンを焼かれ、佐賀モデルハウスに持ってきてくださいました。本格的な焼き具合!みんなで美味しくいただきました。

台所を覗かせていただくと、使い込んで手に馴染む道具たちが並びます。ものを選ぶときの基準を伺うと、「便利よりも家に置きたいもの」というY様。棚の上のカゴには、水筒などがしまわれ、流しの下の梅干し用のかめの中にはもち米、玄関先のメダカ鉢の横には柿渋を塗った籠の郵便受けなど、‘我が家の使い方’を楽しまれています。

 職場の方など、薪ストーブが羨ましいと言われると、「楽しめるかは人ぞれぞれ」と答えるというYさん。ボタンひとつで起動するエアコンに比べれば、薪ストーブは実に手間のかかる暖房器具です。シーズン前から薪の

準備をして、使う時には重たい薪を運び入れ、着火を見守り、薪をくべる…。「この面倒な手間そのものを楽しめなくちゃ難しいでしょうね。我が家は楽しくてたまらない」と、笑顔でお話くださいました。

 職場では気が抜けない分、家では自分のペースでゆっくり過ごす。「自分が楽しければ、それそれでいいかな。」この一言に、Yさんご家族の充実した家での時間を感じました。気ままに手間ひまを楽しむYさん暮らしのひとさじを皆さんへ。