完成
見学会

2020.02.20

未来工房通信

食卓の上にある暮らし

食卓の上にある暮らし

「命ある食材を作ってくれた方に感謝し、食べる人のことを考えながら料理を楽しみ、家族との会話に花を咲かせ、心と体を満たすことで、人は優しくなり、健康になり、思いやりを持ち、他人のために働きたいと考えるようになる。それこそ健全なる社会の礎である。」そんな信念のもと、10年の長きにわたり発刊してきた「九州の食卓」の編集長・坂田圭介氏にお話を聞きました。

はじまりは、小さなテントから!
いざ、冒険の旅へ!

小学生の頃、図書館の本を、端から端まで読んだ。「キャンプ入門」という本に出会い、わっと雷に打たれたような感覚を覚えた!お小遣いをためてテントを買い、自宅の庭にひとり、テントで寝泊まりし、自分だけの小さな、だけど無限の宇宙の中にいた。以来、自然への冒険は、自分の人生に欠かせないものとなった。

40才手前、東京から熊本に戻ってきたとき、ふと、自分がこれから死ぬまで生きていくであろう、九州という地を、目と耳と五感で、体感してみたくなった。

17フィートの小さな船で、14日間、総走航距離約1000キロ。港から港へ、海岸線沿いをまわり、テントを張り、九州を、外側から見てみた。「地産地消」のテリトリーが、すとんと腑に落ちた気がした。

家族で囲む食卓が
日本の未来をと、変える
僕は信じている

東京で、雑誌の編集に忙しくしていた頃、夜22時過ぎの電車の中に、塾帰りの小学生がいた。当時、2才だった我が娘の将来の姿を思い浮かべ、すぐさま、熊本に帰る決意をした。

できるだけ、家族が揃って、食卓を囲んで、家族で同じ料理を食べる。それも、できるだけ、手づくりしたものを。

同じ釜の飯を食べていると、思考や考え方が似通ってくる。食卓にのぼる会話や笑顔は、家族のこころを強くする。

人徳を失ったような事件が、ニュースをにぎわす、変な世の中だ。家族で食卓を囲むことが、まともな世の中に戻っていく、第一歩なのではないかなあ。

今は、経済至上主義集団が先頭に立っているが、
ある日世の中が回れ右をする
そんな瞬間が、きっとくるのだろう

創刊前のこと。 とある新聞の連載で、熊本県内の慣行農家さんへ、取材でまわっていった。普段、自分が口にする食べ物が、どこで、誰が、どんなふうにつくったものなのか、考えることもしていなかったことを痛感し、これはまずいぞ、と、危機感を持った。

同時に、均一な規格や品質のものを、大量生産する農法に疑問を持つ、農家さんたちへ出会った。

自然農法は、手間も時間もかかるし、儲からない。経済的に豊かには、なれない。「でも、体に悪いってわかってるものをつくって、人に食べさせるわけにいかんやろ?」自分の人生や暮らしをかけて、この優先順位を貫いている。頭が下がった。

今の日本では、このような考え方は少人数だし、恐らく最後尾にいる。だけど、優先順位が違う人たちが、先頭に立つ時代が、日本にもきっとくるのだろう。僕は、その生き方を応援しつづけていきたい。

「九州の食卓」編集長 坂田 圭介

熊本市生まれ。マリン雑誌の編集長を務めた後、38歳で熊本にUターン。
九州の食卓創刊にあたり、編集長に就任。
熊本地震後、2016年7月に菊池郡大津町の肥後大津駅前に事務所を移転。
2016年11月23日に、雑誌で取り上げた九州の食材や調味料などを販売する店舗「九州の食卓セレクトショップ」をオープン。

九州の食卓セレクトショップ

〒869-1235 熊本県菊池郡大津町室148
TEL/096-292-0581
営業時間/11:00〜19:00 営業日/土曜・日曜