完成
見学会

小説の中のおばあさんの暮らしに憧れて

佐賀県三養基郡 T様邸

住宅街の角地に構えるT様邸は、抜群の見晴らし。大きく配置した窓からは、ハゼの林や目の前に田んぼが広がり、色に音、風が季節の移り変わりを教えてくれるといいます。
「小さいけれど、ここから筑後川の花火が見えるんですよ。すぐそこの川で飛ぶ蛍も!」と、暮らしはじめてわかった嬉しいおまけ。庭でBBQしながら眺める花火は、今ではT様家族の年間行事の一つです。

憧れは、大好きな小説『西の魔女が死んだ』(著者・梨木 香歩 出版・新潮社 2001/8/1)に出てくる、おばあちゃんのような暮らし。「大事にしたい家だからお掃除も楽しくて。床を拭いたら、ふわっっと木のいい香りがして嬉しくなる。」と笑顔でお話される奥様ですが、実は最初から木の家を建てようとは思ってなかったと聞いて驚きです。

初めは知人に紹介された住宅会社で、コストや機能性を重視した家で打合せを重ねていたといいます。そんな中、打合せまでの空き時間に、近くにあった未来工房(佐賀)にふらっと立ち寄られたのが、木の家との出会いでした。
「この窓からこういう景色が見えたらいいなとか、リビングも広ければ居心地がいいとは限らない、間取りではなく自分たちがどう暮らしたいかを考えること。真新しさを保つのではなく、古くなった分味が出たらいいなとか…。そんな家づくりの話に感動して、初めて『こんな家に住みたい!』って思ったんです。」そんなTさんご夫妻がお気に入りは、佐賀モデルハウスの「小さな基本形の家」のリビング。訪れる度に心地よさを感じるそうです。

ご主人に、豊かな暮らしについて伺ってみると、「DIYやBBQ、周りに気兼ねなく音楽をかけるなど、家の中でやりたいことをストレスなく楽しむことができるようになり、QOL(Quality Of Life/ 生活の質)が凄く上がったなと感じる」たまには遠くの山に行きたくなるけれど、緑の中に住んでいる感じで、キャンプの非日常も家で実現できると、ロケーションを活かしきったこの家での暮らしを満喫されています。

ハゼの林が見えるように配置した薪ストーブ横の窓。新緑に紅葉、冬の雪化粧と狙い通りに季節ごとの色を切り取ってくれます。
ピザや焼き芋なども楽しむ薪ストーブは、冬はもう一つの台所。「スタッフの方から教えてもらったんですが、玉ねぎを皮ごとアルミホイルで包んで黒くなるまで焼いたら、中がとろとろでおいしいんですよ!」

西陽が直接入らないように、敷地に対して家を少し斜めに配置。窓から入る日差しが白い壁に反射して優しく室内を照らします。「設計の時はよくわからなかったけど、住んでみてこういうことか!とわかりました」。窓から望む景色や光の入り方で、とても24坪の家とは思えないほど広がりを感じます。

「朝起きるのが楽しみなんです。」と言う奥様。家も、ここで過ごす時間も丸ごと愛おしい。そんなTさんの暮らしのひとさじを皆さんへ。